『KANO』を見終わってからつらつら考えた事

「映画『KANO』を見てきました!いやぁ、素直に面白かった!」
って映画を見た素直な感想は前回の記事で書きました。






でね、観終わって冷静になって考えてみたらこの話は『霧社事件』の翌年の事。
1931年の甲子園で嘉農が準決勝している前年の1930年に
セデック族が武装蜂起して運動会開催中の日本の学校を襲撃したんです。
そして日本は軍を派遣。結局はセデック族を武力鎮圧したというのが『霧社事件』。
前年というと劇中の嘉農ではちょうど先輩達との最後の試合が雨で負け試合となり
一層練習に打ち込むようになっていたという時期ですよね。
その練習しているまさに同じ頃に同じ台湾の別の場所では日本人と台湾原住民が
たがいに憎み合い殺し合っていたんです。
原因は日本人の原住民の文化に対する無理解と傲慢な言動や侮蔑からくる差別に
耐えかねたからだと聞いています。

同じ時に同じ台湾で、ですよ。
しかも映画では1931年の事として描かれているけど八田与一の嘉南大圳は
『霧社事件』と同じ年の1930年に完成しているのです。
八田与一さんの嘉南大圳は今でも台湾の教科書に載るほどの功績で
彼の銅像を地元の人が隠してまで守るほど現地の方に敬愛された人物。
その彼がダムの完成式典で賞賛を浴びているその時に同じ日本人が
少し離れた場所では憎悪の対象として倒すべき敵とされていた事実。
同じ日本人に対して全く真逆のこれらの出来事はたった2年間で続けて起こりました。
それを2つとも映画という形で描いた魏徳聖という人はすごいと思います。
台湾島外からやってきた統治者は全て悪とかそんな単純な視点で見る事なく
その中の何が善くて何が悪かったのか。そこを真摯に見極めようとしていると思います。

台湾という島はもともと原住民が住んでいた島。
そこにいつの頃からか大陸の福建や広東から漢人が移住し始めました。
当然そこで原住民と衝突もあったでしょう。
その後オランダ人が来て台湾を占拠。その後漢人の鄭成功が台湾奪取。
オランダ人の後は漢人。その後清王朝で満州人が台湾を清国とします。
日清戦争後に日本人が統治。日本敗戦後は中華民国としてまた漢人が来て
台湾の為政者として現在に至ると聞いています。
オランダ人、漢人、満州人、日本人。原住民にとっては結局自分達の島が
別の民族によって治められているというのは変わらないのかも知れません。

だからどうなんだ。原住民だけ残して外地から来た民族は皆出ていけとでも言うのか。
そんな単純な事ではありません。歴史はどうあれ今現在台湾に住む人達は
何代もの長い間その島で暮らし田畑を耕してそこで生きてきたのです。
だからこそ今何度となく変わった為政者側の民族の行いや考え方を冷静に分析し
善い部分も悪い部分も共に事実として認め未来の自分達の進む道を考える。
そういう意図があるのではないかと推察します。

自分達こそ優れており他はそれ以下。自分達の文化や価値観に従え。
従わなければ武力であれ社会的にであれ弾圧する。そうした態度で現れた者と
相手と同じ目線で物事を考え文化や価値観の違いは認めて尊重しながらも
諦めずに相手を説得、行動し自身の主張に理解を得ようと努力する者。

誰が、というよりも何がどういう行動が、という点で判断すべきだと考えていると思います。
偶然にも同じ時期に同じ日本という国の人との間で起こった幾つかの出来事が
それらを象徴的に表していると思います。

今、台湾の人達は親日的だと聞いています。
東日本大震災の時もそれを証明してくれました。こないだのWBCでもそうです。
でもだからと言って日本人は慢心してはいけないと思います。
彼等にとって日本に対する好感情は八田与一をはじめとする過去の日本人の
偉大な生き様によって形成された部分も多いのです。
せっかく好感情を持ってくれていても現在未来の日本人が傲慢な態度をとれば
きっと日本人に対して失望し、最悪また『霧社事件』のような悲しい関係と
変わってしまうかも知れないのです。

今回の『KANO』でせっかく台湾の人達が日本の善い部分を示してくれたのだから
日本人の私としてはその善い部分を自信を持って守り後に繋ぎたいと思います。
また人間ですから時に傲慢な気持ちに支配されるかも知れません。
これもまた『霧社事件』を象徴として自戒し自分を省みる事を忘れないようにしたいです。


なぁんて難しい事考えちゃったけど、
とにかく『KANO』のあの子達はみんなみ~んな可愛かった!!(笑)
素敵な映画を作ってくれてありがとう!

あとどうでもいい事やけど甲子園は兵庫県にあります。大阪ではありません。
(映画自体には全く関係ない)

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プロフィール

どぅいちゃん

Author:どぅいちゃん
『射雕英雄伝』を見て武侠の世界に嵌りました。
パパこと東邪・黄薬師に心を奪われ、それ以来武侠の「イカレオジ専」担当です。
リアルな武侠仲間がいないのを憂いて、ゲリラ的に武侠布教活動を行っております。

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