『笑傲江湖』 第25話&第26話

はい!今日は莫大先生の令孤冲の素行調査、成績発表!!


「令孤殿、近頃楽しそうじゃのう…」

この台詞はドラマだとピンと来ないけど原作読んだら納得なんですよ^^。
だって莫大先生の成績発表は実はもっと後でしたもの(笑)。

とにかく「令孤殿はならず者などではない。稀に見る賢い豪傑じゃ。」
という莫大先生の「合格!」のお墨付きをもらった令孤冲。
少林寺に囚われた聖姑を救出するべく魔教の者が大挙して少林寺を襲うという計画を
救出隊の盟主になる事で、なんとか穏便に治めて欲しいと頼まれるのでした。
なんでも魔教の救出隊は五覇岡に集結して決起するとか。
それで令孤冲も急ぎ五覇岡に向かったのですが…。


ちょうど令孤冲が五覇岡に着いた頃、救出の有志連中は盟主を決める会議の真っ最中。
はい!自薦他薦は問いません!盟主に立候補される方!
で手を上げたのが、あの連中。

「俺達が盟主だ!文句ある奴は四つ裂きだ!」(by桃根仙)

「ええ!?ありえなぁ~い!!」(by五覇岡の全員の心の声)
四つ裂きにされるのは嫌だけど、こいつらを盟主と仰ぐのはもっと嫌な五覇岡の面々。
アンタ達、やる気満々なのはわかるけどそれはチョッとどうかなぁ…?

案の定、不満の誰かが石を投げつけ「誰が石を投げた!?」という桃谷六仙に
投げたヤツが「お前の親父だ!」と返答したものだからサァ大変。
「兄貴の親父!?じゃあ俺達の親父って事ジャン!」
「俺達に似てるか確かめてやる!」
そして群衆の中に突っ込み「親父」発言の者を捕まえてきて一言。
「似てねぇジャン!俺こんな不細工じゃないもん!似てるのは三番目の兄貴だ!」
いや、あのぉ。ご兄弟は甲乙付けがたいお顔立ちなのでそれはどうかと…(笑)。

実は原作ではそうなんだけど、
この「似てないジャン」と言った人は結構お気に入りなどぅいちゃんだったりするので
この発言に関しては納得しちゃったりしたけどね…(爆)。

弟より不細工と言われた三番目の兄貴が
「どっちが不細工か皆に品定めしてもらおう!!」と
これまた、盟主とは全く関係ない話でもめ始めた所に、
やっと、本命が登場したのでありました。
「桃谷六仙!この令孤冲が判定してやる!!」

「俺が見るに、この男はお前たちとは全然似てない。お前達の方がずっと男前だ。」
「江湖の誰もが知ってる義侠心に溢れた二枚目の英雄だ!」

おぉい!誰かぁ!この人が嘘付いてまぁす!!(爆)
とにかくお世辞の限りを並べ立て桃谷六仙の暴走を止めた令孤冲。

「母ちゃんは俺達を不細工だと言っていたが、あれは真っ赤な嘘だったんだ!」
「本当の事を言える令孤冲は勇気があるよ!」

母は嘘なんか付きません!!客観的事実を述べただけです!
とにかく桃谷六仙の機嫌が直ってホッとした矢先

「令孤冲覚悟しろ!」

令孤冲を襲ったのは老頭子。
律義者だねぇ、老頭子。聖姑ちゃんからの言いつけを忘れていませんでしたね。
でも、殺す気なんかさらさらありません。「(とりあえず)やっときました!」って感じですね^^。

令孤冲暗殺命令の真相を老頭子から聞いた桃谷六仙も
聖姑ちゃんを気に入った様子。いや、この場合奴らに気に入られても困るんだけど…。
だって、そのせいで後々いろいろ御迷惑をおかけする事になるので…(笑)。

とにかく剣では殺せないから酒で酔い殺してしまおうと皆で酒を飲みまくったそうです。
ってか、飲みたかっただけだろ!!お前等!!
「令孤冲を暗殺ぅで酒が飲めるぞ♪酒が飲める飲めるぞ♪酒が飲めるぞ♪」
アホジャン!ただのアホの集まりジャン!!でもこんな連中大好きです。

とにかく暗殺計画も失敗に終わり、令孤冲を盟主に迎えた五覇岡の救出隊。
意気揚々と五覇岡を下りて少林寺へと向かいますが
途中武当山のふもとを通りかかります。武当山といえば武当派。
少林寺の方証大師の仲好しさん、冲虚道人がいる所です。

どうやら冲虚道人自ら農夫に化けて様子を見に来たようですね。
そうとは気付かず道を開けるように食って掛かる桃谷六仙。
結局盟主の令孤冲がこの場を治めに入りますが、その農夫と対戦する事になります。
農夫のたたずまいから並みの相手ではないと察していた令孤冲だったけど
いざ対戦を始めて彼の剣術の見事さに目を見張ります。
そう彼こそ武当派掌門・冲虚道人。剣術は太極剣法。
風清楊先輩の教えでなんとかこの対戦に勝った令孤冲。
冲虚道人と林で対談です。

たぶん冲虚道人は、全てお見通しだったんでしょうね。
方証大師から聖姑に連れられてきた事を始め事情は聞いていただろうし、
もしかしたら莫大先生ともこっそり繋がっていたかも知れませんね。
冲虚道人は少林寺が半月も前に聖姑を解放している事を令孤冲に伝えます。
目標を失った群衆は往々にして暴動に走る恐れがあるので
少林寺行きをしきる盟主にはますます困難が予想されます。
「聖姑を返せ!」と乗り込んだのに「もう、いませーん。」と言われても
群集は納得するのか?疑心暗鬼にかられて捜索と称して
少林寺を荒らしまわり果ては火を放つかも知れませんからね。

とにかく冲虚道人になんと諭されても行方知れずの聖姑を救うと言って
令孤冲は武当山を後にしました。

ここまでで…。
少林寺と武当派のそれぞれの掌門は令孤冲を好漢だと認め、
五嶽剣派の中でも衡山派の莫大先生が「(好漢)合格!」通知を出しました。
嵩山派の左冷禅は元々令孤冲が正か邪かなんてどうでもよくって、
泰山派は左冷禅の骨抜き作戦にあっていて問題外。
恒山派の定逸師太は令孤冲という人物を見極めきっていないようです。
でも儀琳ちゃんの「令孤さんは良い人です!」という話もあり
確かに儀琳を田伯光から助けてもらった縁もあって
噂は噂。実際にどんな人物かという判定はもう少し確かめてからという
至極冷静な評価をしているようですね。

で、あのオッサンのいる崋山派はというと…。
そもそも「令孤冲は極悪人」という噂はアンタが撒き散らしているんじゃないの?
少林寺・武当派の両掌門だって理解してくれているのに
なんでアンタはそんなに頑ななの?仮にもアンタの(元)弟子でしょ!?
なんでそんなに頑なに令孤冲を悪者にしたいの?
それはねぇ…?また後で…。


で、聖姑は一体どうしちゃったのか?お馬さんに乗っていました!(爆)
食堂に立ち寄った聖姑ちゃんを襲う店中の客!
孤軍奮闘で応戦する聖姑ちゃん!!1人でも十分強い!
しかし店の給仕の婆さんまで刺客だったとは!?
せっかく助けてあげたのにこのクソ婆ぁ!婆にやられて窮地の聖姑ちゃん。

その時!三日月マークの剣が!はい!みなさん御一緒に!
こぉ~もんてぇ~~ん!!(爆)

こらぁ!サル!向門天の字は「肛門点」じゃねえよ!!!
髪を伸ばしたらアンタだってあんな髪形になるくせに!!(爆)

向門天が加勢に入って俄然元気を取り戻した聖姑ちゃん。
二人で大暴れしていますが…。

屋根の上では技を発動のオッサン!そう!任のオヤッサ~ン!
ただならぬ気配を感じた刺客の連中。誰かが
「吸星大法だ!」と叫ぶや否やわぁっと逃げて行きました。

このオヤッサンは12年間も湖底の牢獄に幽閉されていたんだよね。
で、《吸星大法》は彼の考案した技で今まで彼しか使えなかったんだよね。
って事は、「吸星大法だ!」と叫んだ人は12年前から江湖で現役だって事だよね?
でないと《吸星大法》を見た事がないからわからない筈だもんね。

それとも「任我行が江湖に戻った」って噂から、
聖姑→父は任我行→ヤバイ技の予感→吸星大法?
って連想しちゃっただけかも知れないけどね。
最初に叫んだ奴はともかく、わぁっと逃げた奴らの中には
明らかに若輩の者もいたから、たぶんそいつらはそうなんでしょうね。

とにかく邪魔な連中を追い払い、父娘の感動のご対面!!
「お前は盈盈か?」
12年ぶりですよ。例えば18歳の乙女なら6歳の頃以来ですよ。
面影が残って入るものの自分が心に思い続けていた娘とは全然違うでしょうから
そう聞いても仕方がないよねぇ。
盈盈ちゃんにしてみれば、随分老いたものの父は父でしょうから
聞く必要もないでしょうけれどね。

この時のオヤッサンは本当に優しいパパの顔でしたねぇ。
江湖に残してきた娘の安否が気が気じゃなかったでしょうからねぇ。
それでまた感動のシーンに少し離れた場所で涙する向門天。
彼も盈盈ちゃんを影日向で支えてきて彼女の寂しさ父を思う心を見てきたから
本当に嬉しかったでしょうねぇ。
なんとも心温まるシーンでありました。
しかし、その後で向門天が視線を遠くに向けた時、そこにあったのは…?

(場面変わって…)

さて、皆様ぁ左手をご覧くださぁい。
あちらに見えますのが『天龍八部』で虚竹と鳩摩智が闘った大岩でございまぁす!
あ、お客様!クマッチは本日はおりませんのでヨダレはお控えくださいませぇ(爆)。

あののぼりには『天下の英雄が少林寺に聖姑を迎えに行く』って書いてあるのかなぁ?
とにかく少林寺山門前の広場に着いた救出隊御一行様。
門前に這う蛇を見て藍鳳凰ちゃんが来ていると察した令孤冲。

相変わらずお綺麗でヤンキーな目ヂカラですねぇ(笑)。
五仙教の教主って代々セクシー系の女性がなるって決まりでもあるのかなぁ?
誰か他にもいたよねぇ?セクシー教主。

とにかく藍鳳凰ちゃんの報告通り、少林寺はもぬけの殻。
坊さん達は何処にいるかと思ったら、
少林寺の山中で正派の連中と一緒に様子を窺っていました。

遅れて到着の崋山派のオッサン。
令孤冲が盟主となり少林寺に入ったと聞くと途端に激怒。
「あの馬鹿が!そんな大それた事を!」
すかさず冲虚道人と莫大先生が令孤冲の弁護。
しかし、掌門の礼服がなんか浮いてるよ莫大先生(笑)。
素行調査時の扮装はとってもしっくり合っていたのに不思議よねぇ?
方証大師もお二人と同意見だと擁護します。

岳不羣の援護に回ったのは左冷禅。
「令孤冲に悪意はなくてもあの連中を抑えきれるとは思えん。」
そうそう。アンタは令孤冲なんかどうだって良いんだよねぇ。
このまま令孤冲達を少林寺に閉じ込めたまま火を放てば
中の人間は寺もろとも焼き殺されるだろうし
生き残ったとしても少林寺に騙し討ちされたと思って復讐を誓うでしょうからね。
少林寺は弱体化したらその隙に乗じて武林の覇者を狙おうって作戦だね。

左冷禅の狙い通り寺に戻る事を余儀なくされた令孤冲達。イライラは最高潮。
ちょっとした事で収拾付かなくなりそうです。
そんな時猫を銜えた鼠を探していて秘密通路を見つけた桃谷六仙。
聖姑を隠す牢獄かと思ったら、少林寺を出るための通路でした。

日が暮れたら寺に火を放とうと思っていた左冷禅。
予想外の展開に思わず椅子を壊しちゃいます。
そばで思いっきりひいてた方証大師には思わず吹き出しちゃいました^^。

皆が去った後少林寺に戻った正派の面々。
心配そうに先を歩き寺の中を確認してホッとする莫大先生。
…なんですが…あの…莫大先生…お、お服が浮きまくってますぅ!
まるで…そのぉ…弟さんの服借りました?(汗)

とにかく自分達の見込んだ通りの仕事をしてくれたと大喜びの三人。
崋山派嵩山派は渋面です。

そこに任我行と盈盈、向門天が登場!世紀の正邪のご対面です!
巨頭会談とでもいうべきでしょうか?
鼻息で埃が飛んだとか言ってるそこの人!
実は恒山派の可愛い尼僧さんの軍団に萌えちゃったんじゃないでしょうねぇ?
普段硬派な感じだから、新しい扉とか開いちゃってないでしょうね!向門天!?
それはさておき邪派の魔教教主の江湖復帰宣言が正派の掌門方の前っていうのも
なんだかおかしな話ですけどねぇ^^。

ここで有名な『任我行による尊敬&軽蔑する人ランキング』の発表!
まずは尊敬する人から。

第1位 東方不敗(日月神教) : この俺様を陥れて幽閉したから。
第2位 方証大師(少林寺) : 易筋経の大家なのに腰が低いから。
第3位 風清楊(崋山派) : 彼の独孤九剣は本当に素晴らしいから

次点(半分の尊敬) 
冲虚道人(武当派) : 太極剣法は素晴らしいが自分には及ばす、後進の育成も拙いから。

次に軽蔑する人は

第1位 左冷禅(嵩山派) 野心は買うが、そのやり方があまりに卑劣だから。

考えたら軽蔑する人の第2位以下は発表を控えていましたねぇ。
たぶん、アイツは上位に入っているでしょうけど…。
そんで後で一発逆転でトップに立つでしょうけど…。

変面のオッサンは惜しくも選外。
あと30年くらい精進しないと軽蔑する人ランキングに入れないそうです。
頑張れ!余滄海!って何を頑張るんだろう…?変面?合体?(笑)

とにかく江湖の皆様にご挨拶して帰ろうとした魔教の巨頭ファミリー。
案の定正派の掌門方に止められ一触即発。
ここで方証大師が手合わせを申し込み
3本勝負で2勝した方の要求を飲む事になりました。

まず第1戦は、任我行(邪派)VS方証大師(正派)。
普通3本勝負じゃ、先鋒からってのが定石なのにいきなり大将戦ですよねぇ。
ここは方証大師曰く頭脳戦で、邪派の1勝。

第2戦は、任我行(邪派)VS左冷禅(正派)
方証大師の千住如来掌と易筋経と闘った任我行。
それでも任我行が有利に闘いは進んでいたのですが
とどめの《吸星大法》で任我行が内力を吸い取ろうとしたその時
左冷禅がここぞとばかりに《寒冰真気》を任我行に吸い取らせました。
一瞬にして任我行は全身が凍りつき、その隙に左冷禅は天池穴を塞ぎました。
ここで、正派は1勝を収めました。
ただし左冷禅の内力は殆ど吸い取られておりその回復には数ヶ月かかるそうです。

両者1勝1敗で迎えた第3戦。

方証大師、左冷禅と出場して、さて次の方は?ここで武当派の冲虚道人が参戦。
邪派もここで対戦カードを変えて向門天が出場しようとしますが…。
その時任我行が向門天を制止。なんと隠れていた令孤冲を指名しました!

出来れば隠れている事を知られたくなかった令孤冲。
思いっきり指名されて、仕方なく下りてきました。

そこは屈指の武術の達人が揃っていて、
みんな観戦してなければとっくにバレてた所です。
それを承知で必死で隠れていたのに最初っからバレバレだったなんて…。
バツの悪い令孤冲でした。
しかも下りていったらいったで、方証大師と冲虚道人もとっくに気付いていたので
恥ずかしいやら決まり悪いやらドキドキしている令孤冲。

でもドキドキしているのは令孤冲だけではなかったようですね。
冲虚道人は相手が令孤冲だと聞くと、不戦敗を宣言しました。
だってここに来る途中の令孤冲に既に負けてるもんねぇ。
原作では冲虚道人はしばらく脳内でシュミレーションしてみたものの
どうしても攻略法が見つからず、負けを認めたということになっています。

で、これで邪派の2勝。
さぁて、勝ったことだし帰ろうかと歩き始めた邪派ファミリーを左冷禅が阻みます。
しかし、約束は約束だからと方証大師。
聖姑ちゃんの時もやむを得ずながら約束違反してたのに
ここでまたやったら方証大師の信用は丸潰れになりますもんね。

ところがこの期に及んでしゃしゃり出てきたヤツが1人。
「相手が令孤冲なんだったら、私が相手をしましょう!」
それって人の弱みに思いっきりつけこんでないかい?崋山派掌門の岳不羣さんよぉ!
任我行相手だったら、絶対に自分で闘うなんて言わないだろうが!
師父思いの恩義に篤い令孤冲だとわかってるからこその参戦でしょ!?
じゃあ、恩義に篤いとわかってるんならなんでそこまで悪し様に言うの!?
こいつ汚ねぇよ!さっすが君子だよ!
国語辞書の『君子』の意味を書き変えとくよ!!

一番闘いたくない相手と闘う事になった令孤冲。
もう後にはひけないのでありました。

なんだよ!バッカじゃないの!?
とにかく「師父がお前を成敗してくれる!」ってな事を言い出すオッサン。
アンタ普段「アイツなんかもう弟子じゃねぇし関係ねぇ!」とか言ってるくせに
こういう時だけ師匠面してんじゃねぇよ!

案の定、令孤冲の剣術の腕はもう岳不羣如きが太刀打ちできる相手ではなく
令孤冲はただかわすのみで攻撃する気になれません。
身を守るために知らず知らずに独孤九剣を駆使して師父の剣をかわします。
令孤冲は辛い所だよねぇ。闘わないと盈盈が捕まるし、
闘えば師父に刃を向ける事になります。
マジで殺す気になってる育ての親とも言える師父・岳不羣とは違い、
舅な任のオヤッサンはマジで令孤冲を心配しています。
冲虚道人も「私は闘わずして負けを認めたんだからもう諦めなさい。」と仲裁に入るし
任我行ですら「師匠と弟子では勝負がつかん。ここは引き分けという事にしては?」
と方証大師に頭まで下げてお願いしてくれてるんだよ。
もちろん方証大師もこの提案に快く応じて「そうしましょう」と言うのですが…。
左冷禅の「この体たらくで崋山派の掌門が務まるのか!?」という
挑発に思いっきりプライドを傷付けられた偽君子。

原作ではこの激怒してるオッサンはここでもっと醜態をさらしています。
それは何か?
実は面子丸潰れの師父は令孤冲に勝ちたいあまり
崋山派剣術流の絶技《奪命連環三仙剣》を使ったのでした。
これは本来気功流の弟子は知り得ない技です。
かつて崋山派の内紛で、剣術流のこの技によって気功流の者が殺された時
気功流はこの技を研鑽しましたが「気をもって剣を御す」という真諦を忘れていると
結論付けました。しかし心の中は言った事と違ったようですね。

この事に気付いたのは、他ならぬ崋山派掌門夫人・寧中則でした。
彼女は剣術流・気功流の内紛時代から崋山派を見てきた女侠の一人であり、
君子・岳不羣を夫として陰で支えてきた人です。
内紛後は掌門夫人として剣術流をことごとく否定して気功流の技を伝えてきたのですが
この期に及んで剣術流の絶技で令孤冲を倒そうとする夫が悔しくてなりません。
「ちょっとアナタ!恥ずかしくないの!?
冲に勝てないからってそんな禁忌の技を使って!
正派の皆様の見ている前で崋山派掌門が剣術流の技を使った事に気付かれたら
なんと申し開きをするつもり!?」
心の中で叫んではいても、この公の場でそんな事口に出来るはずもなく
歯噛みしながら夫と弟子を見守るしかないのでした。

更に岳不羣。
《浪子回頭》《蒼松迎客》の二手を使った後《冲霊剣法》の型で令孤冲を攻め立てます。
この《冲霊剣法》ってのがクセモノ。
これはまだ令孤冲が崋山派の大師兄として平和に暮らしていた頃
思い人である岳霊珊と戯れに作ったいわば二人の恋の思い出の剣法なんです。
だからこれは本来令孤冲と岳霊珊の二人しか知るはずのない剣法で
まさか岳不羣がこの技を知っていてしかもここで使ってくるなんて予想だにしませんでした。
もともとお遊びで作った剣法だから威力なんてないしそもそも実戦向けじゃないですもの。

でも令孤冲には違いました。
心の傷に思いっきりワザビと辛子と唐辛子と塩とタバスコを塗り付けられたように
令孤冲の顔に狼狽の色が走り、真っ赤になって後ずさりしました。
羞恥にかられて浮き足立ちたじたじの令孤冲。
もう剣術や身体云々の前に心はズタボロ。
失恋の傷を今更突くのならいっその事殺してくれと思ったんだけど…。

その時岳不羣の使う技にメッセージが込められていることに令孤冲は気付きます。
《浪子回頭》 改心したら崋山派に戻ってきても良い。
《蒼松迎客》 崋山派に戻る事を弟子達も歓迎している。
そして…
《冲霊剣法》 戻ってきたら霊珊との結婚を許す。

一瞬歓喜の情が湧き起こった令孤冲。
しかし同時に盈盈の事が頭をよぎりました。
「ここで俺が負けたら、盈盈達は監禁されて殺されてしまうかも知れない。
自分の事だけを考えて、盈盈達を裏切ってよいんだろうか?」

冷や汗がどっと溢れて激しい動揺に目が眩む令孤冲。
座って頭抱えて悩んでるわけではないんですよ。これは闘いの真っ最中です。
激しい動揺っていやぁ、あの小龍女だってブッと血を吐いてぶっ倒れた位です。
自分の悲願成就を取るか、恩人の命を助ける事を選ぶか?
こんな命の取り合いの様な闘いの真っ最中に人生究極の選択を迫られた令孤冲。
「盈盈は命まで投げ出して俺を救ってくれたんじゃないか!
ここで俺が盈盈を見捨てたら、俺はこの世で最も恥ずべき裏切り者じゃないか!
絶対に盈盈を裏切るわけにはいかない。絶対に裏切ってはならない…。」
わけがわからなくなり知らず独孤九剣で闇雲に応戦しているうちに目眩に襲われ
「おぉ!」と言う歓声に目を開けると師父を傷付けていました。

ハッと我に返る令孤冲。剣を捨ててその場に跪き許しを請います。
故意でなかったとはいえ師父を傷つけてしまった事でショックな令孤冲を
このオッサンは腹いせに思いっきり蹴りを入れました。
この憤怒の蹴りの威力はすさまじく、令孤冲は見事に吹っ飛び意識を失いました。
だいたい剣を捨てて詫びを入れてる奴を蹴るなんて君子にあるまじき行為だろうが!
はからずも正派のトップが一堂に会したその面前で
己の器の狭さを露呈する事になっちゃいました。カッコ悪ぅ!
しかもその蹴った足は令孤冲の内力で骨が折れちゃってるんだよ。ダサッ!

その場にいたのは正派の中でも掌門を始め屈指の使い手の方々。
この岳不羣VS令孤冲の戦いを数手見ただけでどちらが勝っているかすぐにわかりました。
令孤冲に人となりに関しては江湖の噂で諸説紛々でしたが、
実際に目の前でその姿を見て

明らかに師父を越えた腕をもっているにもかかわらず、
師父への恩義を忘れず決して自ら攻撃しようとしていない事。
あれだけの烏合の衆を率いて少林寺に入ったのに、
少林寺の名誉を慮ってキチンと指揮して寺を傷付けなかったこと。
方証大師や冲虚道人等にも礼をつくし決して不遜な態度は取っていない事。

これ等の事から、観戦するにつれて皆令孤冲を応援していたのでした。
だから岳不羣がお粗末な技(《冲霊剣法》)で攻撃を仕掛けた時
なぜ令孤冲があんなに狼狽して苦戦しているのか皆不思議がったのです。
岳不羣がここまで激怒したのも、自分が正派として闘っているのに
周囲が何故か令孤冲に肩入れしているのがわかったからです。

とにかく令孤冲が勝ったのは明らかでした。

theme : 武侠
genre : ブログ

tag : 笑傲江湖 金庸 武侠 チャンネルNECO

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『笑傲江湖』 13回目

さぁて、今週はどんなおはなしかなぁ? のっけから、莫大先生! しかも、語っているよ! わぁ~い! 莫大先生の素行調査では 令狐冲は素行がよろしいという事で 合格のサインが出ました! でも、行っちゃったよ…。 また調査してネェ...

comment

Secret

うちゃさんへ

>このあともなにかといっちゃ集まっては飲んでばっかりという印象が(笑)
ホントそうですよね。
「あそこに行けば何かしら酒飲める口実がある!」的な
飲兵衛の希望の星と化してるよねぇ?令孤冲(笑)

物凄いながぁ~い伏線(深慮遠謀)の全貌が見えてくるのもこの頃からだもんね。
楽しみです!

この回あたりから

がぜん楽しくなってきますよね。五覇岡で集まってきた連中、このあともなにかといっちゃ集まっては飲んでばっかりという印象が(笑)

プロフィール

どぅいちゃん

Author:どぅいちゃん
『射雕英雄伝』を見て武侠の世界に嵌りました。
パパこと東邪・黄薬師に心を奪われ、それ以来武侠の「イカレオジ専」担当です。
リアルな武侠仲間がいないのを憂いて、ゲリラ的に武侠布教活動を行っております。

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